藍晶石(カイヤナイト) [鉱物図鑑:ネソ珪酸塩]
前回に引き続き藍晶石(カイヤナイト)です(産地:ブラジル)。サイズ40mm×50mm
これは、藍晶石(カイヤナイト)の結晶が複数集まったクラスターです。クリーニングが不十分で、見た目は今ひとつかもしれませんが、産出する状態が分かる標本かと思います。横に前回の大きめの綺麗な結晶も横に置いて撮影してみました。
藍晶石(カイヤナイト)といえば、同質異像の代表的な鉱物です。斜方晶系の紅柱石(アンダリュサイト)や珪線石(シリマナイト)と同じ組成で、共に珪酸アルミニウムが主成分です。同じ組成なのに性状が異なるのは、生成条件の違いに因る物です。細かい部分は学者によって見解が分かれる所ですが、代表例としてHoldawayとMukhopadhyay(1993)の提唱する相関係をグラフにして載せてみました。
この紅柱石-珪線石-藍晶石の相関係を何に使うかと言うと、変成岩の温度圧力条件を推定するのに使います。つまり、どれ位の深さ(圧力から推定)でどんな温度で結晶成長が進んだのかの指標なんですね。高校生の教科書にも、紅柱石-珪線石-藍晶石の相関係が良く使われていますよ。
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