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銅の二次鉱物 [雑記(鉱物関連)]

孔雀石(マラカイト)は、藍銅鉱(アズライト)など、銅の二次鉱物を続けて紹介しましたが、二次鉱物という言葉について少し説明しておきますね。ペグマタイト中の水晶の様に、マグマが固結する際、最後に残った成分がゆっくり冷えて結晶が大きく成長するのと異なり、一度何らかの鉱物として生成した後、地下の熱水等の影響で変性された鉱物が二次鉱物と呼ばれます。
分かり易く例えると、鉱物の錆(さび)でしょうか。孔雀石は銅鉱物の錆(さび)みたいな物ということです。錆もゆっくり成長すると結晶を作るんですね。

銅の錆では、緑青(ろくしょう)が有名ではないでしょうか。本来は塩基性酢酸銅(ベルデグリス)なのですが、一般的には大気中で生じた銅の錆は全て緑青(ろくしょう)と呼ばれます。ということは、マラカイトも緑青(ろくしょう)の一種と言うこともできます。実際に、空気が澄んでいれば銅の表面には炭酸塩のマラカイトが生じるらしいのです。とはいえ、今の世の中廃棄ガスや工場からの排出ガスなどで硫酸ガスが存在しますので、より安定な硫酸塩が生じるようです。

通常空気中では、亜酸化銅(キュプライト)や塩基性硫酸銅(ブロカンタイト,アントレライト)ができますが、海の近くでは塩基性塩化銅(アタカマイト)が、硬水の地下水と反応するとマラカイトが、更に炭酸濃度が高い場所ではアズライトが生成するそうです。銅鏡等の銅製の発掘品は表面がマラカイトやアズライトで覆われていたりします。
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赤銅鉱(キュプライト):国立科学博物館展示品

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ブロシャン銅鉱(ブロカンタイト):国立科学博物館展示品

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孔雀石(マラカイト)

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藍銅鉱(アズライト)
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