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デンドライト水晶(デンドリチック・クォーツ)/水晶(ロック・クリスタル) [鉱物図鑑:石英・水晶(珪酸塩鉱物)]

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今日は、前回に引き続きデンドライトとして、デンドライト水晶(デンドリチック・クォーツ)のルースをご紹介します。サイズ:10mm×7mm

先日の炭酸カルシウムを主成分とする石灰岩とは違い、水晶に見られるデンドライトです。このような水晶は、デンドライト水晶(デドリチック・クォーツ)と呼ばれます。写真のルースは、デンドライト水晶をカットしたものですが、クラックが入っているので、他の鉱物を購入した際に『おまけ』として頂いた物なんですよ。鉱物収集をしていると、時たま頂ける『おまけ』が嬉しいものです。


さて、何故デンドライトが化石ではないか?の答えですが、ここまでの間に答えがあります。化石というのは、堆積岩に見られます(特殊な例は除きますよ)。それは、化石が生き物の遺骸または堆積跡が土砂と共に体積して出来るものだからです。ところが、この写真の様に、しのぶ石は火成岩である水晶中でも見られます。
また、化石は、地層の中の堆積物の粒子の並びに平行に入っているのが普通です。前回のドイツのゾルンホーフェン産の石灰岩は、この平行な層に沿って薄く割れるので、表面に化石が出たりするんです。ところが、このしのぶ石。勿論、同じように割っても現れるのですが、垂直に割っても出る事があります。と言うよりは、しのぶ石が現れるのは、岩石の節理面(割れ目)だけ。
ということで、しのぶ石は、化石では無いんです。では、何なのでしょう?

その正体は、二酸化マンガン(軟マンガン鉱)。正確には、水マンガン鉱の結晶が軟マンガン鉱に置換された仮晶なんだそうです。マンガン元素が溶けだして酸化し、岩石の割れ目(節理面)に染み込む際に、しのぶ石をつくると考えられています。この時に、あのシダの葉の様な不思議な模様を作るんですね。

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