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黄玉(トパーズ) [鉱物図鑑:ネソ珪酸塩]

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アメリカ産の黄玉(トパーズ)です。サイズは12mm×5mm

黄玉(トパーズ)は、古くから知られた宝石で、11月の誕生石でもあります。ところが、この古くから知られたと言うのが曲者です。昔から知られる鉱物は、組成じゃなくて色や形状で呼び名が変わったり、勘違いから別種の石を同じ名前で呼んだり、勿論国毎に違う名だったりと、結構ややこしい。トパーズにもそんな話があるんです

英名のトパーズ(Topaz)は、紅海にある『トパゾス(Topazos)島(今は、ザバルガット/英名セントジョーンズ島と呼ばれる)』に由来するという説があります。この島では、3500年にも渡って採掘が行なわれてきたのですが、霧に包まれる事が多いこの島に辿り着く事が難しかったので、ギリシャ語の「捜し求める」という意味の『Topazos』を島の名前につけたと云われています。

さて、この島で採れた宝石は、既に紀元前にはエジプト王家に献上されて、トパーズと呼ばれていたらしいのです。ところが、この島では主にペリドットを産出し、トパーズは見つかっていません。はて?って感じです。

真相は、以下の説が有力なようです。
トパゾス島では良質な橄欖石(ペリドット)を産出していた。本来は、この石を島の名前からトパーズと呼んでいたが、ヨーロッパに伝わる時に、アラビア語で宝石を意味する『ファリダット』を石の名前だと勘違いして『ファリダット→ペリドット』と呼ばれるようになった。
その後、トパーズが今のトパーズを表すようになった過程は良く分かっていないようですが、18世紀頃にはドイツでトパーズ鉱山が宝石用に開発されていたそうです。少なくともこの頃には、ヨーロッパで今と同じ石をトパーズと称するようになっていたようですね。

ややこしや~。ややこしや~。
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すうちい

あなたが私で、私があなた?
by すうちい (2008-06-21 20:04) 

アヨアン・イゴカー

『冬と銀河ステーション』

そらにはちりのよやうに小鳥がとび
かげろふや青いギリシャ文字は
せはしく盆地の雪に燃えます
パッセン大街道のひのきからは
凍つたしづくが燦々と降り
銀河ステーションの遠方のシグナルも
けさはまつ赤に澱んでゐます
・・・・・・・・
パッセン大街道のひのきから
しづくは燃えていちめんに降り
はねあがる青い枝や
紅玉やトパースまたはいろいろのスペクトルや
ここらもまるで市場のやうな取引です

この宮沢賢治の詩にある鉱石や宝石の知識が、殆どありませんでした。
凍った滴は確かに宝石です。それを表現できる語彙があれば、このような詩になるのでしょうね。

by アヨアン・イゴカー (2008-06-22 09:09) 

optimist

すうちいさん こんにちは。
ラピスラズリなんかも、説明しようとすると、複雑で・・・。解説本や図鑑にも間違いがあったりして、困り物です。

アヨアン・イゴカー さん、こんにちは。
作品中にも様々な鉱物や宝石が出てきますし、本当に鉱物が好きだったんでしょうね~。私にも文才があれば、このような世界を伝えられるのでしょうか・・・。散文的な記述しかできない者の夢かな。



by optimist (2008-06-22 09:59) 

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