SSブログ

鉱物の毒性について [雑記(鉱物関連)]

鉱物を収集していて、そして小さい子供が居る我が家の場合、気をつけているのが、鉱物の毒性です。

危険な鉱物というと、まず思いつくのがアスベスト。飛散した繊維を吸い込むと、中皮腫の原因になる事は有名な話ですね。この中皮腫は、胸膜、心膜、腹膜などのしょう膜腔を覆う中皮表面およびその下層の組織から発生する癌で、きわめて予後不良な悪性腫瘍として知られています。潜伏期間が曝露から20年~50年とも言われ、近年社会問題にもなっています。
このように、標本として流通している鉱物の中にも毒性が強いものが存在するんです。代表例を幾つかご紹介してみます。

<砒素を含む鉱物や水銀を含む鉱物>
1618683
鉱物には、猛毒の砒素や水銀を含んだものがあります。そして、収集マニアには、結構人気があったりするんです。砒素化合物は、鉱物毒として古くから知られています。これら鉱物は、ミメット鉱や鶏冠石など綺麗な色をした魅力的な物が多いのですが、その裏に潜む危険も忘れないようにしたいですね。そうそう輝安鉱だって、アンチモンの化合物です。アンチモンは、砒素と同族元素ですからよく似た性質があり、これまた毒性が強い物質なんですよ。まあこれらの鉱物は、経口しない限り大丈夫ですが、危険性も知っていて欲しいですね。

<石綿(アスベスト)>
実は、石綿(アスベスト)とは、絹糸状光沢の繊維状鉱物を指す俗称で、鉱物分類には使われません。鉱物名としては、白石綿(クリソタイル)や板石綿(アンチゴライト)などの蛇紋石(Serpentine)系石綿と、角閃石(Amphibole)系石綿の茶石綿(アモサイト)や青石綿(クロシドライト),透角閃石綿(トレモライト),陽起石綿(アクチノライト),直閃石綿(アンソフィライト)らがあります。
蛇紋石とか角閃石という名は聞いた事がある人も多いと思います。日本なら普通に産出してますから・・・。と言う事で青石綿(クロシドライト)だって個人所有されています。扱うときには飛散させないよう、細心の注意を払いたいものです。

<放射性鉱物>
放射性鉱物といっても、少量であればコレクターが収集できる物は多いんです。でもそれらを多量に一箇所に集めたりしたら・・・それだけ放射線量が多くなるのは自明です。更に、知らない人が触る、口に入れるなんて事になると、体内に取り込まれて被爆します(殆どの場合は問題にならない程度ではありますが・・・)。これらの鉱物を収集される場合は、最低でも、少量をケースに入れてシールなどで容易に開かないようにして、知らない人が触れないよう保管する必要があると思います。

※GWを使って、蛍光写真を撮ろうと思っています。5月は、再び蛍光写真をお楽しみ下さい。
nice!(8)  コメント(6)  トラックバック(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 8

コメント 6

ruya

毒性の強い石はそんなに所有していないのですが、でも取り扱いには十分気をつけないと……毒性のあるものを持っているという自覚は忘れちゃいけないですね。

蛍光写真も楽しみにしています♪ 我が家には無い短波紫外線のUVランプでの写真をぜひ・・・!(*^ ^*)/
by ruya (2009-04-29 22:23) 

optimist

ruya さん、こんばんは。
過剰に気にする必要は無いと私も思っていますが、つい忘れがちな点でもあるので、改めてここで書いてみました。

蛍光写真、楽しみにして頂いているところ申し訳ないのですが、連休明けからの更新を考えているので、1週間位充電期間を頂こうかと思っています。しばしお待ち下さいね。
(その間は、科学工作と庭つくりの更新をしなくては^^;)
by optimist (2009-04-30 00:28) 

ふじかわ

毒の石ってあるんですねぇ。
by ふじかわ (2009-04-30 17:52) 

optimist

ふじかわ さん、コメントありがとうございます。
鉱物って、結局のところ特定の成分が結晶化したものですから、その成分に毒性があると有毒な場合もあるんです。
まあ、身近な製品にも毒性はあるので、何事も使い方次第だとおもいますが・・・。
by optimist (2009-04-30 21:47) 

アヨアン・イゴカー

>輝安鉱だって、アンチモンの化合物です。アンチモンは、砒素と同族元素
これは驚きです。しかし、美しいものには刺があり、茸だって派手なものは毒キノコが多いのですから、そう考えるべきなのですね。
by アヨアン・イゴカー (2009-05-04 04:06) 

optimist

アヨアン・イゴカー さん、こんばんは。
派手な毒キノコではありませんが、放射性鉱物の多くは燐光や蓄光を放ったりしますね。
by optimist (2009-05-04 22:02) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。