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鉱物の種類~硝酸塩鉱物~ [鉱物の種類について]

前回もお話しましたが、第2周期の3,4,5族で性質も近いので、硼酸塩鉱物、硝酸鉱物は、炭酸塩鉱物と一緒に分類される事が多いです。まあ最大の理由はその種類が少ないって事だと思うんですけどね。

実際、私も硝酸塩鉱物といって思いつくものは、硝石の類だけです。
さて、何故硝酸塩鉱物は、かくも少ないのでしょう?それは窒素の性質に因っているようです。

まず、窒素は酸素と異なり、反応性が低いので容易に窒化物や硝酸塩として固体になりません。また硝酸塩類は、水溶性なので、雨水で容易に溶けます。その上、生命活動による窒素サイクルに取り込まれているので、溶けた硝酸塩は、嫌気性細菌などが窒素などに分解して空気中に拡散していきます。かくして、窒素の多くは大気中に気体として含まれ、地殻中には殆ど存在しないくせに、その僅かな窒素は微生物による窒素サイクルで循環するという訳です。

ね、鉱物として成長するには不向きな気がしませんか?事実、地殻中に含まれる比率を表すクラーク数を見ると、窒素はトップ25にも入っていません。大気の7割が窒素だというのにです。そんな訳で、硝酸塩鉱物は殆ど存在しないんですね。
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アヨアン・イゴカー

クローバーなどの植物は根粒菌で空中の窒素を固定しますが、それらの固定されたものがどこかにまとまって蓄積され鉱物化することはないのでしょうか?
by アヨアン・イゴカー (2009-08-08 09:08) 

optimist

アヨアン・イゴカーさん こんばんは。
確かに根粒菌の窒素固定はありますが、固定された窒素は水に溶け、植物が吸収したり嫌気性細菌が分解したりして土中に長く留まる事がないようですね。
あっても結局水溶性ってのがネックで鉱物としては、雨が少ない環境でないと厳しいようです。
by optimist (2009-08-09 23:39) 

素風

なるほど~。高校の授業で習った生物と化学がここで握手している感じですー。この年になって「おっしゃ、つかんだ!」と実感しても遅いですが…。
by 素風 (2009-08-12 10:52) 

optimist

素風さん、こんばんは。
いえいえ、人間死ぬまで学習だと申しますからw
大人になって思うのは、「子供の頃の柔らかい脳だと、スポンジが水を吸い込むように覚えられた気がするのに、今となっては・・・」というものです。
当時は、記憶力が良いとは思わなかったですけどね。

by optimist (2009-08-15 22:44) 

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