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鉱物図鑑:シクロ珪酸塩 ブログトップ
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ベニト石(ベニトアイト) [鉱物図鑑:シクロ珪酸塩]

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アメリカ産ベニト石(ベニトアイト)です(サイズ:32mm×56mm)。
ベニト石は、世界の何ヶ所かで標本程度のサンプルが発見されたのみ、大きな結晶で取れる産地は、唯一カリフォルニア州だけという珍しい石で、カリフォルニア州の州宝石に指定されています。ただ、カリフォルニア州のベニト石の鉱山は、2005年に閉山してしまったようで残念です。

この石も、紫外線で濃い青に蛍光する蛍光鉱物です。白い沸石のなかに、埋もれるように海王石と産出されます。写真標本も白い沸石上に海王石(小さいくてわかりにくいですが・・・)とベニト石がのっています。

緑柱石(ベリル)/アクアマリン [鉱物図鑑:シクロ珪酸塩]

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アクアマリンです(パキスタン産)。(サイズ:50mm×42mm)
いくつもの六角柱状結晶がくっ付いています。透明度や鮮やかな色という点では劣りますが、迫力はありますよ。

アクアマリン(和名:藍玉)は3月の誕生石として知られる宝石ですが、鉱物として分類すると緑柱石(ベリル:beryl)になります。緑柱石(ベリル)は六角柱状の結晶が特徴的な鉱物ですが、色によって様々な名前で呼ばれます。エメラルド(翠玉,緑玉)もアクアマリン(藍玉)も同じ緑柱石(ベリル)です。コランダムも同様ですが、宝石に使われる鉱物は、色によって呼び方を変えるほうが違和感が無いのでしょうね。

淡い青はアクアマリン、緑はエメラルド、赤はモルガナイ(淡い赤)やレッドベリル、黄色がヘリオドール、無色がゴシェナイトと呼ばれます。これらは、全て緑柱石(ベリリウムとアルミニウムの珪酸塩)ですが、アクアマリンとヘリオドールは鉄が、エメラルドはクロムやバナジウムが、モルガナイトやレッドベリルはマンガンが微量混入する事で発色の原因となると考えられています。と言っても世に出回っている宝石の場合は、熱処理や化学処理で調色されているのが一般的な様ですが・・・。

インクルージョンや傷が多いエメラルドに比べ、アクアマリンは無傷でかなり大きな結晶も産出します。
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緑柱石(ベリル)/エメラルド [鉱物図鑑:シクロ珪酸塩]

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コロンビア産のエメラルドです。(結晶のサイズ:10mm×8mm)

エメラルド(和名:翠玉,緑玉)は5月の誕生石として良く知られた宝石ですが、鉱物として分類すると緑柱石(ベリル:beryl)になります。詳しくは前回のアクアマリンで紹介した通りです。六角柱状の結晶が特徴的な鉱物です。

エメラルドの天然結晶は、内部に特有の傷が無数にあります。明るく濃い緑色の物が最上級とされてきましたが、近年では熱処理や科学的処理によって人為的に綺麗な物に見せている事が可能となってきたので宝石として流通している物の多くは何らかの処理をされていると言われます。この結晶もクロム処理されているのかも知れませんが、綺麗だから良し!。また、母岩付きの結晶は、後で接着された物も多いらしいです。まあ、少なくとも結晶自体は自然に出来た物ですし・・・あまり気にしない事にします。だって、私には見分けが付かないんです・・・。
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緑柱石(ベリル)/レッド・ベリル [鉱物図鑑:シクロ珪酸塩]

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緑柱石(ベリル)/レッドベリルです。(結晶サイズ:6mm×3mm)。正式な鉱物名としてビクスバイト(Bixbite)とも呼ばれます。
産地は、宝石品質の結晶を産出するアメリカ ユタ州のワーワー山脈です。レッド・ベリルの商業的採掘が行われている世界で唯一の鉱床(標本程度の産出は他でもあります)でしたが、現在は採掘されていないようです。

写真の結晶は、小さくクラックも多いのは残念ですが、緑柱石(ベリル)の特徴である六角柱の結晶ははっきり確認できます。もともとレッド・ベリルは大きな結晶が無く宝石品質で1ct.を超える物は非常に稀です。その上、エメラルド同様インクルージョンが多いのが特徴ですので仕方がありません。資金力に乏しい私の様な個人コレクターでは、この位の結晶が精一杯です。

何故大きな結晶が出ないのかについては、その成因から推測されています。緑柱石の成因は、ペグマタイト鉱床(マグマが固結する際、最後に残った成分がゆっくり冷えて結晶が大きく成長する)である事が多いのですが、ワーワー山脈のレッド・ベリルの場合は、この例とは異なり気成鉱床による成因と考えられています。つまり、マグマが固結する際に、ベリリウム,アルミニウム、珪酸等が蒸気として放出され、緑柱石が結晶したという事です。この時、地表近くで急速に冷却されたため、結晶の成長が不十分で、不純物も大量に含んみ、且つ亀裂の多い小さな結晶となったと考えられます。実際、緑柱石の不純物は通常1%に達する事はありませんが、この産地のレッド・ベリルでは3%程度もあり、その成因の特異さが伺われます。

宝石としては人工合成法が確立していて、ロシア産の人工レッド・ベリルも出回っているそうです。

緑柱石(ベリル)/グリーン・ベリル [鉱物図鑑:シクロ珪酸塩]

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淡い緑色をした緑柱石(ベリル)/グリーンベリルです。産地はブラジル ミナス・ジェライス州。(サイズ:13mm×25mm)

透明感があり、淡い緑色が綺麗な結晶です。色としてはアクアマリンとヘリオドールの中間位でしょうか?そもそも写真の様な発色でもヘリオドールと呼ばれたりしますし、色違いの緑柱石(ベリル)を呼び分けているだけなので単にグリーン・ベリルと呼ぶのが良いのかもしれません。

写真の様に淡い緑に発色していますが、発色原因は鉄だと考えられています。緑柱石(ベリル)中の鉄は、その状態により青(アクアマリン)~黄色(ヘリオドール)の発色原因となりますが、熱処理すると全て綺麗な青を発色をします。そこで、宝石として人気の高いアクアマリンにするため、熱処理してしまう事が多いようです。

※色違いで緑柱石(ベリル)を紹介してきましたが、次回からは別の鉱物を紹介しようと思います。
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リチア電気石(エルバイト)/ウォーターメロン [鉱物図鑑:シクロ珪酸塩]

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ウォーターメロン・トルマリン(研磨品)です。(サイズ:16mm×16mm)
電気石(トルマリン)は、宝石でご存知かと思います(10月の誕生石)。その名の通り電気石(トルマリン)に圧力や熱を加えると電気が発生します。この現象は、ノーベル物理学賞を受けたピエール・キュリー博士が証明したんだそうです。

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リチア電気石(エルバイト)/バイカラー [鉱物図鑑:シクロ珪酸塩]

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前回の続いてリチア電気石(エルバイト)です。写真の通りバイカラーですが、ウォーターメロンが中心と外側で色が異なるのに対して、結晶の先端が赤で根元が緑になっています。(サイズ:7mm×20mm)

電気石(トルマリン)はグループ名で、柘榴石(ガーネット)と同じように組成により更に細かく分類できます。リチア電気石(エルバイト)は、リチウムを含有していて、その結晶の多くは透明度が高くガラス光沢があり、様々な色のバリエーションがあるので、宝石に加工されます。

この結晶は未研磨でポイントもしっかり残っています。磨かなくてもキラキラしていて綺麗でしょう?

鉄電気石(スコール) [鉱物図鑑:シクロ珪酸塩]

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マダガスカル産の鉄電気石(スコール)です(別名は、ブラック・トルマリン)。サイズ:12mm×15mm

写真の結晶は、DeAGOSTINIのトレジャー・ストーン9号についてきたものです。

鉄電気石(スコール)は電気石(トルマリン)の中で最も一般的に産出するのではないか思います。ガラス光沢の黒い結晶で、写真の様な六角柱結晶や、針状結晶が良く知られています。特に針状結晶では、スカルン中に放射針状に産出したウニのようにトゲトゲの標本をみかけますが、結構迫力があるので、いつか手に入れたいと思ってるんです。

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リチア雲母(リピドライト)上の紅電気石(ルベライト) [鉱物図鑑:シクロ珪酸塩]

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先日、リチア雲母(リピドライト)をご紹介しましたが、今日はリチア雲母(リピドライト)を母岩とした紅電気石(ルベライト)です。サイズ:30mm×28mm

この標本もアメリカ産ですが、アーカンソー州ではなくカリフォルニア州産です。鱗片状の雲母塊にトルマリン(紅電気石:ルベライト)の結晶が入っている典型的な標本です。紅電気石(ルベライト)は、微量のマンガンの混入により赤色を呈したリチア電気石(エルバイト)で、淡いピンクから濃い赤色を呈します。

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翠銅鉱(ダイオプティーズ) [鉱物図鑑:シクロ珪酸塩]

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カザフスタン産の翠銅鉱(ダイオプティーズ)をご紹介します。サイズ:48mm×32mm

翠銅鉱(ダイオプティーズ)は良くエメラルドと比較される鉱物です。一見濃い色のエメラルドにも見えるのですが、小さな結晶として産出すること多く、また硬度5と柔らかい上に劈開もあるので、宝石に加工されることは、まずありません。

天然のエメラルドより更に鮮やかなグリーンが好きで、翠銅鉱(ダイオプティーズ)だけでも結構コレクションしてしまいました。

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