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緑柱石(ベリル)/レッド・ベリル [鉱物図鑑:シクロ珪酸塩]

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緑柱石(ベリル)/レッドベリルです。(結晶サイズ:6mm×3mm)。正式な鉱物名としてビクスバイト(Bixbite)とも呼ばれます。
産地は、宝石品質の結晶を産出するアメリカ ユタ州のワーワー山脈です。レッド・ベリルの商業的採掘が行われている世界で唯一の鉱床(標本程度の産出は他でもあります)でしたが、現在は採掘されていないようです。

写真の結晶は、小さくクラックも多いのは残念ですが、緑柱石(ベリル)の特徴である六角柱の結晶ははっきり確認できます。もともとレッド・ベリルは大きな結晶が無く宝石品質で1ct.を超える物は非常に稀です。その上、エメラルド同様インクルージョンが多いのが特徴ですので仕方がありません。資金力に乏しい私の様な個人コレクターでは、この位の結晶が精一杯です。

何故大きな結晶が出ないのかについては、その成因から推測されています。緑柱石の成因は、ペグマタイト鉱床(マグマが固結する際、最後に残った成分がゆっくり冷えて結晶が大きく成長する)である事が多いのですが、ワーワー山脈のレッド・ベリルの場合は、この例とは異なり気成鉱床による成因と考えられています。つまり、マグマが固結する際に、ベリリウム,アルミニウム、珪酸等が蒸気として放出され、緑柱石が結晶したという事です。この時、地表近くで急速に冷却されたため、結晶の成長が不十分で、不純物も大量に含んみ、且つ亀裂の多い小さな結晶となったと考えられます。実際、緑柱石の不純物は通常1%に達する事はありませんが、この産地のレッド・ベリルでは3%程度もあり、その成因の特異さが伺われます。

宝石としては人工合成法が確立していて、ロシア産の人工レッド・ベリルも出回っているそうです。

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