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ウルグアイ産紫水晶(アメシスト) [鉱物図鑑:石英・水晶(珪酸塩鉱物)]

1968395
Artigas Province, Urguay

今日は、ウルグアイ産の紫水晶(アメシスト)のクラスターです。サイズ:82mm×50mm

写真でご覧頂ける通り、ウルグアイ産に良く見られる濃い紫色の毬栗状のクラスターです。ブラジルと並んで世界的なアメシスト産地であるウルグアイの紫水晶(アメシスト)。その濃い紫色は、素晴らしいとしか言いようがありません。
どうしてこんなに鮮やかな紫に発色するのでしょう?多様な色の水晶がありますが、発色原因は一つではなく、簡単に説明するのは難しいです。上手くできるか分かりませんが、ちょっとご紹介しますね。

水晶の発色で分かり易いのは、赤水晶や緑水晶、一部の黄色の水晶(レモン水晶等)です。これらの水晶は、他の物質を取り込んで成長する事で色が付きます。ヘマタイト等の酸化鉄を含むと赤水晶に、灰鉄輝石等の緑の鉱物だと緑水晶に、硫黄を含むと黄色水晶(レモン水晶)という具合です。この場合、見えている色は不純物の色なので、必然的に不純物の量はかなり多くなります。それに伴って水晶の透明感が失われる場合が多いです。
これに対して、紫水晶(アメシスト),黄水晶(シリトン),黒水晶や煙水晶は、水晶の結晶格子中に極微量の不純物が入り、色中心(カラーセンター)が起こる事が原因です。色中心の詳しい説明は難しいのですが、結晶中で珪素が占めるべき位置に鉄イオン等が置き換わる事で起きています(不純物の量としては、ppm単位の極微量で起こります)。これらの格子欠陥によって、内部の電子状態に偏りが出来ていると考えてください。この電子状態の微妙な違いで特定の波長の色が吸収され、色が付いて見えるんです。この電子状態は、放射線を照射したり、熱を加えたり、強い太陽光に晒したりすると簡単に変わってしまうので透明な水晶から黒水晶を作ったり紫水晶を黄水晶にしたり出来ちゃうんですね。

さて、と言う事はウルグアイ産の水晶は、不純物の入り具合と母岩中での放射線に晒される具合が絶妙なので、こんなにも深い紫色になるという訳です。不純物の量や放射性元素の量は、その場所毎に特徴的なものですから、産地によって様々な色合いをみせてくれるんですね。

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