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蛍光鉱物の蛍光写真(蛍石(フローライト)の蛍光) [鉱物図鑑:蛍石]

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Rogerly Mine Frosterley, Weardale, North Pennines, Co Durham, England

前回の中国産と違い、一際強い蛍光を示す、イギリス産蛍石(フローライト)の蛍光写真をご紹介します。左が蛍光下、右が長波紫外線(ピーク波長:365nm)をあてて撮った物です。

流石、イギリス ロジャーリー(Rogerley)産の蛍石(フローライト)です。光っぷり?が違います。石の周囲が青白く照らされる位にはっきりと蛍光してくれます。なぜこれほどまでに蛍光するのか?これは、この産地から産出する蛍石に含まれる希土類元素が多い事に関係しています。

蛍石(フローライト)の主成分はフッ化カルシウムです。ですが、純粋なフッ化カルシウムから構成される蛍石は蛍光性を示しません。天然の場合は、多くの場合希土類元素が多種(といっても併せて0.1%以下ですが・・・)含まれるので、蛍光性を発現するんだそうです。蛍石の場合、特異的に希土類元素を取り込んで結晶化しやすいので、多くの場合蛍光性を持つという訳です。

ではなぜ蛍石には多種の希土類元素が高い濃度で含まれるのでしょう?それには幾つかの理由があります。まず、蛍石の元であるフッ化カルシウムの水溶液中には希土類元素が溶けにくい状態になり、結晶化の際に一緒に析出しちゃう。更に、カルシウムとランタノイド系希土類元素のイオン半径とがほぼ同じなので、にカルシウムの入るはずの場所に希土類のイオンが入り込んで結晶化しちゃうんだそうです。

で、今回ご紹介しているイギリス ロジャーリー産には、多種の希土類元素が多量に含まれるので、強蛍光性を示す。というお話でした。
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コメント 3

にゃんこ

とてもまばゆい蛍光ですね!
置き換わっただけでこんな変化をするとは驚きです。
by にゃんこ (2009-02-08 13:26) 

アヨアン・イゴカー

これは、両方とも綺麗ですね。
by アヨアン・イゴカー (2009-02-08 19:46) 

optimist

にゃんこ さん、アヨアン・イゴカー さん、ありがとうございます。
本当に良く蛍光するので、この石をはじめ、ロジャーリー産の蛍石は結構集めちゃいました。
by optimist (2009-02-08 22:10) 

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